先頃、城辺町内の旧友たちが集うデイサービスに参加を申し込んだ友利さん。「1人でいると心が縮まるが、みんなでいるとパッと開いてうれしくなる」と、新たな楽しみに胸を弾ませる。
働き盛りの頃は、農業と魚の行商の2本立てでたくさんの汗を流した。重いバーキを頭に載せ、上野村や平良市までも売り歩き、時にはかまぼこの製造業者に卸したりもしたという。「戦後すぐに長男が生まれ、食べ物も衣服も足りない物ばかりだった。子供たちにかまう余裕もなかったが、みんな黒く日焼けして元気に育った」と母の顔を取り戻す。
その子供たちが、今は次々に洋服を贈ってくれるのだという。「感謝の気持ちもあるが、その前に『生んで良かった』といつも思う」。
バーキを降ろした今、子供たちの思いが込もった服を着て出掛けるのが、友利さんの笑顔と元気の源だ。
子供6人、孫16人、ひ孫6人。
(文・写真 砂川智江)
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