歌や会話で日常彩る 平良 ツルさん (86歳) 1917(大正6)年12月 1日生まれ (上野村宮国)
午後のひととき、平良さんの自宅には、近所に住む友人たちが毎日のように集まってくる。皆同じように、農作業に畜産、そして子育てと長年の仕事から解放された顔ぶれだ。気が置けない仲間たちに交じり、子供時代から苦労を共にした姉のマツカマさんも顔を見せる。3時のチョーキ(おやつ)をつまみながら、おしゃべりに花を咲かせたり歌を歌ったりする時間が、何よりの元気のもとだ。 若いころは、夫の佐蔵さんと協力して和牛飼育に精を出した。「頭数はそう多くなかったが、上質の牛を育てた」と胸を張る。夫妻が現役を引いた後に、長男の雄良さんが「牛がいないのは寂しい」と再開。出勤前に牛の世話をする息子のために、早起きして朝食を準備する平良さん。家族と友人に囲まれた穏やかな日常が、平良さんの柔和な笑顔につながっている。 子供5人、孫14人、ひ孫3人。 (文・写真 砂川智江)