「おばあの漬物を一度食べたら、もう店から買う気になれない」と喜ぶ孫たちのために、大量の大根を漬ける根間さん。「塩を多く入れれば長持ちするけど、体の長持ちの方が大事」と塩分は控え目。手練れの技に家族思いの真心を込める。
子供の頃から過ごすニャーツの地には昔は畑が広がり、学業もそこそこに農作業を手伝う日々だった。20歳を過ぎてからは姉たちと共に宮古上布を織り、日が暮れるとほやランプの頼りない明かりの下で家計を助けたという。
「女の子は3度の飯を炊く能力さえあればそれでよし、という時代だった」と当時の風潮を振り返る。「でも今は違う。男も女も(差は)ない時代。若いひ孫や孫たちには一生懸命勉強して、自分の道を築いてほしい」。幾多の時代を経験した女性ならではの願いを語った。
子供7人、孫20人、ひ孫18人。
(文・写真 砂川智江)
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