坂道超えて幸せ広がる

仲原 文(ふみ)さん (86歳)

 
1917(大正6)年3月 30日生まれ
 (平良市下里)

ganzurogo.tif (147800 バイト)  「この坂を超えたらきっと幸せが待っている。そう信じて自転車をこぎ、一生懸命に働いた」。細腕で2人の娘に学問を習得させるため、ひたすら勤労に励んだ時代を仲原さんはそう振り返る。
 水道、電気、新聞などの集金が、仲原さんの仕事だった。エリアは下地町全域。娘たちの人生の土台づくりを応援したい一心で、日々ペダルを踏んだ。1967年には、宮古島上水道組合から集金成績を称えられ、表彰を受けた実績も。「自転車で鍛えた毎日が丈夫な体をつくったのかもね」と表情を緩める。
 長年の集金経験を買われ、所属する南老人クラブではずっと会計職。また、交通安全の月間には四辻に立って旗を振り、児童・生徒の安全指導に積極的だ。
 自身と社会のために時間を使う今「苦労の後には幸せが待っているものよ」と晴れやかな笑みをたたえた。
 子供2人、孫4人、ひ孫4人。


(文・写真 砂川智江) 
 

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