故郷の温かさを忘れずに

仲里 文子さん (95歳)

 
1908(明治41)年6月 9日生まれ
 (下地町字洲鎌)

ganzurogo.tif (147800 バイト) 「いまどきの料理は出来ないけど、昔ながらの料理は今もするよ。ンギャナやトゥナラの炒め物に和え物。子供時代はおやつも山の木の実だったしね…」。健康の秘けつは食生活にあり、と強調する仲里さん。「昔は贅沢はできなかったけど、自然のものを当たり前に口にしていた。今の子より昔の子がかわいそうだったかと言えば、そうとも言い切れないよ」。自給自足の時代から飽食の現代を生き、贅沢がイコール幸せではないという思いが重く響く。
 65歳で夫の根郎さんと帰郷し「仲里熱帯果樹園」を開いた。「故郷の人は、懐に包んでくれるように温かくて本当に気持ち良かった」。感謝の気持ちは今も当時のままだ。
 果樹の手入れや収穫時には、木の上にも登ったとか。「木は愛情に応えてくれる。夫と共に、子供のようにかわいがって育てた」。園内は、今も多くの観光客で賑わっている。
 子供6人、孫21人、ひ孫22人。
 



(文・写真 砂川智江)

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