毎週末、市内に住む孫やひ孫がにぎやかに訪れると、根間さんの表情も部屋の中もパッと明るくなる。週に４回はデイケアに通い、カレンダー作りや体操で人との交流を満喫。「家の中にばかりいると頭が悪くなるような気がするからね」と笑う根間さんも、孫、ひ孫に会う日は最大級の上機嫌だ。
　一貫して畑が職場だった。キビのほか、カボチャやピーナッツ、ユリを出荷、豚ややぎ、牛も飼い、共進会では表彰式の常連だった。
　妻のハルさんとともに何カ所もの畑を手掛け、学校から帰宅した子供たちには置き手紙でその日の「職場」へ呼び出し。孫が幼い頃は、共働きの両親に代わり、農業の合間を縫って子守りも引き受けた。それだけに、今でも孫たちの笑顔はかけがえのない宝物。根間さんの元気を支える何よりのカンフル剤だ。
　子供５人、孫10人、ひ孫４人。
　（文・写真、砂川智江）