浴衣姿で紫煙をくゆらせ、嫁や孫に囲まれて温和な笑みを浮かべるたたずまいに、長老の風格が漂う。
「23歳で結婚、26歳で分家して、希望を持って働いた」。
力を込める声に、人生を前向きに働き通した自負がのぞく。「昼は農業、夜はインボー(漁師)。家畜を養いキビを植えて、暗くなると海岸で魚を追い込んだ。『親子ラジオ』の集金もして歩いたよ」。
それもこれも、8人の子供たちを育てるため。妻の千代さんと協力して精一杯働いた。
嬉しくなると自然に踊り出す身軽さで、孫からは「ヒヤサッサおじい」と呼ばれる。本土に住む子供や孫に会うため「12回内地に行ったよ」と自慢げに話し「長女の結婚式では滋賀県に行って鳩間節を踊り、素晴らしいと喜ばれたよ」と思い出話を披露する。
陽気な性格が誰からも慕われ、家には絶えず人が集まる。そのにぎやかさが川満さんの長寿を華やかにしている。子供8人、孫17人、ひ孫6人。
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