700ヘクタールの干潟出現(来間島の2倍)
大潮の日に700ヘクタールの干潟が出現する与那覇湾(通称・サニツ浜)。この自然の利を生かし、競馬などさまざなスポーツが繰り広げられるサニツ浜カーニバル(主催・下地町、宮古広域圏事務組合)は13回目を迎え、宮古の夏を彩る一大イベントとして定着した。サニツ浜ではかつて競馬や宮古角力(すもう)などで長寿や豊年を祝う「ゆなぱぬ(下地町与那覇の)サニツ」が行われ、これが今に引き継がれている。
「ゆなぱぬサニツ」の競馬は、今から310年ほど前、与那覇の青年たちが旧暦の3月3日に馬の速さを競ったのが始まりとされる。
競馬のほかにも宮古角力や村芝居と多彩な余興の同行事は、年々盛大になり今から35―40年ほど前には集落行事を超え「郡民行楽の日」と銘打つほどになっていた。競馬や宮古角力には宮古全域から参加し、競技者と見物客を合わせた人の数は約2000人。舞台には与那覇の青年たちが立った。しかし、盛大を極めた「ゆなぱぬサニツ」は、馬の減少など時代の移り変わりとともに、いつの間にか中断した。
「この伝統行事をよみがえらせ、地域活性化に役立てられないものか」。1990年、宮古広域圏事務組合の総務課長を務めていた寄川功一さんは、そう考え事務組合幹部会議に復活を提案した。その後、事務局長の砂川玄徳さんを中心に調査計画が行われ、下地町に共催を提案。これが受け入れられ、1991年「ゆなぱぬサニツ」は「サニツ浜カーニバル」の名で復活した。
催しは、競馬や宮古角力、モトクロス、人間輓馬、グラウンドゴルフ、少年サッカー、ビーチバレー、水中駅伝、乗馬など盛りだくさん。中でも、サニツ浜ならではの「水中駅伝」は人気の競技だ。乗馬は子供たちから喜ばれている。
サニツ浜(沖縄の海)の特徴を生かした同イベントは、沖縄「海のカーニバル」の関連イベントに位置づけられ、宮古の観光PRに一役買っている。
写真説明(上)・今年の宮古角力の様子。男たちが力と技をぶつけ合った。
写真説明(下)・1番の人気を集めた宮古角力。大勢の観客が試合の行方を見守った
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