【特集】 第4回ビーチバレー宮古島大会2003

下地町与那覇 前浜ビーチ 2003/06/01 開催

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 6月1日に下地町与那覇の前浜ビーチで開催されたビーチバレー宮古島大会2003。今大会も2人制、男女混成4人制の各部で白熱したハイレベルな試合が展開された。2人制、男女混成4人制の優勝チームをはじめ、高校生として3位に食い込んだ伊良部高校ほか、この大会を裏方で支えたボランティアの皆さんを紹介する。

◇男女混成4人制◇
 プレッシャーはね返す 大会4連覇の まんじゅ
vb1-1.tif (108940 バイト) 男女混成4人制で大会4連覇を成した県出身の「まじゅん」チーム。第1回大会から連続出場し、すべての試合を制覇してきた。
 メンバーは大城久美子さん、花木光成さん、前田綾子さん、山川賢治さんの四人。大会4連覇に注目が集まる中、プレッシャーに打ち勝ちゆるぎない強さを見せた。キャプテンの大城さんは「プレッシャーがあったのでほっとした」と安どした様子。今大会を振り返り、「決勝トーナメントに入ってからレベルが高く、厳しい試合ばかりだった。集中力が切れることがあったので、チームで声を掛け合いながら頑張ったことが優勝につながったと思う」と話した。
 同チームは、本島では2人制でそれぞれ活動しているチーム。1年間を締めくくる最後の大会として、宮古島大会に4人そろって出場しているという。
 大城さんは「4人集まって練習する機会が少なかったのが課題。これからもどんどん強いチームが出てくるので練習を重ね、ぜひ次回も5連覇を狙って出場します」と宣言した。
 
 写真説明・男女混成4人制で大会4連覇を成し遂げたまじゅんチーム=1日、下地町前浜ビーチ

◇女子2人制◇ 初の公式戦で優勝 大阪から出場の SKY・TORNADO
 
vb1-2.tif (109646 バイト) 女子2人制で優勝したSKY・TORNADOチームの山川美咲さん(大阪府・28)と西村佳名子さん(大阪府・26)ペア。決勝戦ではキッカケハOTVチームの伊芸尚子さん、島袋弥誉衣さんペアをストレートで下し、見事優勝に輝いた。
 ペアとしては初の公式戦でもある今大会。山川さんは「うれしい。試合を重ねるごとに、互いの動きが合ってきていると感じた。優勝できていい出だしだと思う」と喜びを見せた。西村さんは「初の公式戦で緊張したが、準決勝で勝ったのが良かったと思う。ブロックさえしっかり飛んでいれば大丈夫だという気持ちで挑んだ」と話した。
 事実上の決勝戦とも言われた準決勝の小栗・鈴木組の小栗幸恵さん、鈴木美和子さんペアとの試合では、実力のぶつかり合うハイレベルな試合を展開した。山川さんは「リードされても食らいついていったので逆転できた。気持ちが沈んでいたら勝てなかったと思う」と振り返った。
 西村さんは昨年、Vリーグからビーチバレーへ転身したばかり。「6人制に比べしんどいが、やりがいがある。負けることが嫌いなので、どの試合でも勝っていきたい」と意気込みを見せた。
 宮古島の大会については「すごくきれいでイベントの盛り上がりが他の大会と違う。いい大会」(山川)、「環境が良く、緊張感が持てる大会だった」(西村)と感想を話した。
 
 写真説明・女子2人制で優勝した山川さん(左)、西村さんペア=1日、下地町前浜ビーチ

◇2人制男子◇ 長身生かした攻撃冴える 神奈川から出場の森河原
 
vb1-3.tif (108766 バイト) 男子2人制で、長身を生かしたプレーで優勝を勝ち取った「森河原」チームの河原亨さん(神奈川県・29)と森川太地さん(同・28)ペア。身長1メートル90センチの森川さんと2メートルの河原さんは、ジャンプ力とブロックの高さを十分に生かした試合で、他チームを退けた。2人がペアを組んでから初の公式戦。「パートナー愛を掲げる」ことを目的に試合に挑んだ。
 森川さんは「身長が高いチームなのでブロックと攻撃が主。事前に課題を持ってやってきた。暑さが予想外だったのでばてた」と感想を話した。
 河原さんは「ロケーションのいい場所でけがをすることなくできたことがうれしい。沖縄本島のようにビーチバレーのメッカになってほしい」と喜びを見せた。
 決勝トーナメントでは、名護市で開催されたビーチバレー大会で優勝した「いちごみるくず」チームの鈴木太郎さん、森岡大生ペアと初戦で対戦。高さを持ち味とする森河原と、高さはないが確実なカットと鋭いレシーブで立ち向かう鈴木、森岡ペアと同格の闘いを見せた。決勝戦では少々疲れをみせたが、ねばりで2セットを勝ち取り優勝した。
 今後の目標は国内での公式戦で結果を残すこと。森川さんは「公式戦を大事にし、試合1つ1つに結果を出していきたい。リズムを一定に保つことが1番の目標。まずは国内で試合し、他のライバルチームをたたいていきたい」と意気込みを見せた。
 河原さんは「ビーチバレーは2人で勝つもの。1人1人が合わさって3人(の力)になるようにしたい」と話した。
 
 写真説明・男子2人制で優勝した森河原チームの森川さん(右)、河原さん=1日、下地町前浜ビーチ

◇伊良部高校3位と健闘 男女混成4人制
bv1-4.tif (108270 バイト) 現役高校生チームとして出場し、男女混成4人制で3位入賞と健闘を見せた伊良部高校の「健悟と愉快な仲間たち」。先月開催された県高等学校総合体育大会バレーボール競技で優勝した伊良部高校バレー部のエース、久貝健悟君(3年)ら4人で構成したチームだ。
 久貝君を筆頭に、リベロの与那嶺拓朗君、女子バレー部の横田千歳さん、上地祐未さんら現役チームのレギュラーメンバーで構成した。
 男女ともにチームを組んで試合に出るのは初めてで、今大会へ向けては1度も練習をせず一発勝負で挑んだという。
 久貝君は「決勝トーナメントまで行けたらと思っていたがここまで来れるとは思ってなかったのでうれしい」と予想以上の結果に少々驚いている様子。初のビーチバレーには「砂地なので動きにくく、思ったようなプレーはできなかった」と感想を話した。上地さんは「息の合い具合はばっちりだった。皆でわいわい試合するのが楽しかった」と笑顔を見せた。
 試合はチーム全員が久貝君にボールを集め、攻撃する戦略。現役ならではの息のあったプレーを見せ、次々と他チームを倒し準決勝まで進んだが、県出身の「TYMS(ティムズ)」と対戦し、惜しくも敗退した。
 久貝君は「ブロックやフェイントのうまいチームが多かった。相手コートの空いている隙を見つけて攻撃する余裕の持ち方を学んだ。これからの試合にも生かしていきたい」と話し、第5回大会の出場を誓った。
 
 写真説明・現役高校生チームながら男女混成4人制で3位に入賞した伊良部高校の「健悟と愉快な仲間たち」チーム=1日、下地町前浜ビーチ

◇大会を裏方で支える 東農大生ボランティア
vb1-5.tif (105748 バイト) 今大会も大盛況のうちに幕を下ろしたビーチバレー宮古島大会。この大会を裏方として支えたボランティアの活躍が人目を引いた。観光関連の関係機関・団体職員をはじめ、宿泊施設の従業員らも参加し、選手たちを全面的にバックアップ。中でも東京農業大学宮古亜熱帯農場の学生は1日中ごみ拾いで汗を流し、会場の美化に努めていた。
 この日、ごみ拾い担当になったのは東農大宮古亜熱帯農場に通う下口修一さん(23)=後列右=と小倉雄一さん(18)=後列左。2人とも今年から同農場で農業を学んでいるという。2人は当初、大会に選手として出場する予定だったが、申し込みが遅れて参加できなかった。それでも2人は「どんな形でもいいから大会にかかわりたかった」と決め、ボランティアに申し込んだ。
 2人は大会当日、ごみ袋を持って会場をくまなく回り、来場者が出す空き缶やペットボトル、弁当パックなど、さまざまな種類のごみを回収した。
 仕事を終えて下口さんは「このボランティアを通して裏方の大切さがよくわかった」と感想。小倉さんは「大会に参加できて本当に良かった。これからも、できるだけ地元のイベントには参加したい」と話していた。

 
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