200平成18  512 金曜日

水道事業の広域化打診/多良間村
赤字特会を切り離し!?
下地村長が市に要望

 市町村合併協議から離脱し、自立の道を選択した多良間村(下地昌明村長)が水道事業の切り離しを検討、宮古島市(伊志嶺亮市長)水道局との広域化を市側に打診している。同村の水道事業は年間約三千万円の赤字があり一般会計から補てんしているのが現状。こうした財政難を回避するためにも広域化を求めているものとみられる。伊志嶺市長は一定の理解を示しているが、広域化に伴う行政手続き、経営体系など課題点も多い。当面は市水道局を通して広域化や同村水道事業の受託など各種運営方式を検討する方針だ。

 水道事業の広域化については十一日午前、伊志嶺市長と下地村長の面談で表面化した。この席で下地村長が五月中に臨時議会を招集し、水道事業の広域化を市側に要望する内容の議案を提出することを報告。その上で市側の前向きな対応を求めたという。下地村長は広域化の理由に「水道事業の広域化でより安全・安心な水が供給できるよう管理してもらえる」としているが、水道事業の赤字運営が村財政を圧迫しているのも事実で、こうした財政的な負担を軽減させることも広域化を求める要因とみられる。
 下地村長の要望に対し伊志嶺市長は「国、県も広域化を進めていることを踏まえ勉強をしながら検討したい」と述べ一定の理解を示した。市水道局は「広域化、あるいは水道事業の受託など法的に問題はないかどうかの検討が必要になる」としており、週明けにも県や日本水道協会に指導を求める方針だ。
 多良間村の水道事業に関しては同村および宮古島市の一部議員も関心を持っており、それぞれ三月定例議会の一般質問で取り上げている。伊志嶺市長は「多良間村から正式な要請があれば検討したい」と答え、広域化に向けては当初から一定の理解を示している。
 宮古本島の水道事業は昨年九月まで公営の旧宮古島上水道企業団が運営してきたが、合併により同年十月から宮古島市水道局という新たな組織で運営している。広域化案が具体化した場合、旧企業団のような組織になるのか、市水道局のままで広域化するのか、あるいは多良間村の水道事業を受託するのかは今後の検討課題となる。
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サンゴの卵が漂着/伊良部

 宮古島市伊良部の佐良浜漁港などで十一日午前、サンゴが産卵した卵が帯状に漂着しているのが確認された。同漁港の岸壁の下の青い海は赤く染まり、神秘的な海に一変した。サンゴはこれから本格的な産卵シーズンを迎える。
 沖合側のサンゴが前夜から未明にかけて産卵したものと思われる。卵の大きさは○・五_ほど。無数の卵は、漂流しながら雄と雌が結ばれて海底に着地する。同じ個体から産まれた雄と雌は結ばれず、別の個体と一つになるという。
 佐良浜や平良の池間島、西原の住民らは、赤く染まったサンゴの卵の固まりを「インズー(海の血)」と呼んでいる。
 結ばれなかった卵の大群は波間に漂っている間に帯状となり、海岸などに漂着する。
 この日の同漁港では、住民ら数人がサンゴの卵を一目見ようと訪れていた。

 写真説明・サンゴの卵の大群で青い海は赤く染まった=11日、伊良部
 (撮影・伊良波彌)
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宮農翔南/統合校名 年内決定へ
両校通し公募中/
県議会定例会に提案

 【那覇支局】県教育委員会(仲宗根用英教育長)は「県立高校編成整備計画」で来年度に設置される宮古農林高校と翔南高校が統合した総合実業高校の名称について現在、両校を通して各方面に公募し、今月十九日までに案をまとめる予定だ。寄せられた校名については校名検討委員会で審議した後に県議会の六月か九月の定例会に提案して決定する。

 県教育委員会では「当該高校の学校長を通して、地元の小中学校にも統合校の校名を公募している。校名の決定は県教育委員会の中で当該高の校長、PTA会長、同窓会長らを委員とする検討委員会で審議して決まった校名を県議会に提案し『県立高等学校等の設置に関する条例』の改正を経た上で正式決定となる」と説明した。
 両校の統合について県教育委員会の編成整備計画では▽圏域における産業人材の育成と宮古の振興に対応した人材の育成▽少子高齢化に伴う学級減のために、学校の活力低下が懸念されることから、統合し生徒同士の切磋琢磨(せっさたくま)を図る▽将来的には、宮古工業高校との学校間連携、さらには統合の検討を行う−との方針が示されている。
 現在、二校とも三学科で一学年の定員は百二十人。統合後は六学科で一学年の定員は二百四十人予定で、定員数の変更はない。
 校名の応募方法は県教育委員会総務課あてにはがきかメールで行う。住所は〒900−8571那覇市泉崎一−二−二沖縄県庁舎十三階。メールアドレスはab310000@pref.okinawa.jp。メールの件名は「宮古総合高等学校名について」と記す。本文は応募する学校名のほか、名前、職業、住所、年齢、性別、校名の理由を明記する。
 宮古農林高校の下地盛雄校長は「印刷物の配布とPTA総会を通して周知した」と話した。

 写真説明・県立高校編成整備計画で来年度統合する宮農(右)と翔南(左)

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ナイチンゲールのように/高校生が看護体験
南静園

 国立療養所宮古南静園(比嘉賀雄園長)は十一日、宮古高校三年生の女生徒らが看護師の仕事を体験する「ふれあい看護体験」を実施した。看護週間(七−十三日)行事の一環。きょう十二日は、ナイチンゲール生誕日にちなみ「看護の日」に定められている。生徒たちは、看護師の役割を理解するとともに、ハンセン病に関する知識を身に付けた。
 同園を訪れたのは、友利いつきさん、野原麻樹乃さん、石垣美妃さん、川満茜さん、友利美香さんの五人。生徒たちはナース服に身を包み、同園看護師の指導を受けながら患者の血圧測定や水分補給、間食介助、車いす移動のデモンストレーションなどを体験。慣れない作業に戸惑いながらも、患者の高齢者たちに笑顔で話し掛けるなどコミュニケーションを深め、看護の仕事に触れていた。
 参加した石垣さんは「将来は看護師になりたいと思っているがまだ漠然としているので現場を見るために参加した。看護師さんたちは優しくてきぱきとしていてすごい。人の役に立つ素晴らしい職業だと思った」と感想を話した。
 総看護師長の岡本邦子さんは「南静園も一般の医療施設と同じように医療サービスを提供している。ハンセン病療養施設だからといって固定観念を抱かず、ハンセン病に対する正しい知識を周りの人たちに広めてほしい」と話した。
 きょう十二日には、入所者の与那覇次郎さんが「看護の日」にちなんで同園看護職員を対象に講話し、職員の現任教育に役立てるという。

 
写真説明・
患者のバイタルチェックを体験する高校生=11日、宮古南静園

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下地地域審議会を設置会長に川満省三氏を選任
宮古島市

 宮古島市(伊志嶺亮市長)の新市建設計画の変更に関する事項などを審議する下地地域審議会が十一日、発足した。同日午後、伊志嶺市長が十五人の委員に委嘱状を交付し、下地地域、宮古島市の発展に向けて協力を求めた。会長には旧下地町長の川満省三氏を選任、副会長は旧下地町議会の川満廣俊氏。地域審議会の発足は上野地区に次いで二番目。
 地域審議会は合併協議の中で設置することが決められており、旧市町村単位に設置される。審議会は▽新市建設計画の変更▽新市建設計画の執行状況や地域振興のための基金活用▽新市の基本構想の作成および変更−に関する事項などを審議するほか、必要と求める事項について審議し、伊志嶺市長に意見を述べることができる。
 委嘱状の交付式が午後二時から下地庁舎で行われ、伊志嶺市長が各委員に委嘱状を交付。その上で「今後、皆さんから地域や宮古島市の問題を提案していただく。そのほか新市建設計画の審議もしてもらうが、皆さんの審議が下地地域、宮古島市のさらなる発展につながる」と話し、各委員の協力を求めた。
 この後、第一回審議会が開かれ、会長、副会長を選出。引き続き審議会の議事および会議の運営に関する規定などを話し合った。そのほか、新しい島づくり計画などの説明もあり、各委員とも真剣な表情で事務局側の説明に耳を傾けていた。
 下地地域審議会委員は次の通り。(敬称略)
 【会長】川満省三【副会長】川満廣俊【委員】石嶺元秀▽洲鎌勝彦▽下地明雄▽砂川玄悠▽根間良光▽与那覇正明▽川満武仁▽長間剛▽川満寿子▽砂川葉子▽上地洋美▽下地達也▽仲松義雄

 写真説明・15人の委員に委嘱状が交付された=11日、宮古島市下地庁舎
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空港の仕事に理解JTA宮古空港所で職場体験
西辺中生徒

 各地で職場体験学習を実施している宮古島市立西辺中学校(平良勝也校長)だが、JTA宮古空港所では楚南晴輝君ら二年生四人が空港内の仕事を学んでいる。四人とも「こんなに大変だとは思わなかった」と空港業務の多忙さに驚きの様子。それでも「すごく勉強になる」と笑顔で仕事に取り組んでいる。
 JTA宮古空港所で学習しているのは楚南君をはじめ、仲間優二君、仲間元泰君、與那覇崇信君の四人。八日から入っており、十二日まで体験する予定だ。
 四人はつなぎの仕事服を着て業務に専念。手伝い程度の業務だが、それぞれ真剣な表情で取り組んでいた。メモ用紙を離さず、空港所の職員が話す言葉、気になった業務内容などを熱心に書き取っていた。
 楚南君は「いつもはお客さん側から見ていたけれど、今は働いている方からお客さんを見ているのが不思議。仕事は荷物を運んだり荷物にタグを付けたりしているけれど、思っていたより大変。でもいろんなことが分かるので勉強になります」と話していた。
 
 写真説明・空港内の職場を体験している西辺中の生徒たち=10日、宮古空港
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