200平成18  2 木曜日

「マルバルリミノキ」大野山林で自生/県内の分布図塗り替え

 宮古本島では未確認のマルバルリミノキ(アカネ科)が八日までに、市内の大野山林で二つの株が自生しているのが本紙記者によって発見された。
 元高校教諭で植物専門家の高良拓夫さん(64)=那覇市在=は「マルバルリミノキは、これまで八重山と沖縄本島の間にある宮古からの記録はない。高い山の無い石灰岩の宮古島で見つかったのは珍しい」と語り、今回の発見が正式に自生記録になる考えを示した。
 今回の発見で、県内のマルバルリミノキの分布図は塗り替えられた。 
 マルバルリミノキは、山地の林内に生える常緑低木。茎には剛毛が密生。葉は表面が無毛、裏面が黄褐色で剛毛が密生している。高さは一b余りに成長する。花は直径七_ほど。果実は青色に熟す。
 発見されたマルバルリミノキについて、高良さんは「人為的に持ち込んで植えたとは考えられない。もし渡り鳥のふんから発芽したとしても、自然分布となる」と説明した。
 大野山林では、これまでタイワンルリミノキ、オオバルリミノキが自生しており、マルバルリミノキを加えると三種となった。
 同山林でのマルバルリミノキは、宮古毎日新聞社の伊良波彌記者が、今年一月二十四日に発見。宮古島市の職員が標本を採取し、県立博物館へ送った。同館から鑑定を引き受けた高良さんが、マルバルリミノキと同定した。
 琉球大学が一九五八年に発刊した「琉球植物目録」では、マルバルリミノキの県内分布は、国頭、石垣、西表、与那国。

 写真説明・発見されたマルバルリミノキ=2006年1月24日、市内の大野山林(撮影・伊良波記者)

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ジェスチャー交え英語力競う/全宮古中学ストコンテスト

  第十五回全宮古中学校英語ストーリーテリングコンテスト(主催・宮古島市教育委員会)が八日、県宮古支庁で行われ、各中学校の代表十八人が英語で物語を発表し英語力を競った。審査の結果、浜川和樹君(池間中三年)が最優秀賞を受賞。優秀賞には砂川あやさん(下地中一年)、優良賞には国仲捺都美さん(伊良部中二年)が選ばれた。このうち砂川さん、国仲さんは七月に開催される県大会に宮古地区代表として出場する。
同大会は国際語である英語への関心を高め、スピーキング能力や表現力などを養うことを目的に開催。宮古地区の全中学校からそれぞれ代表が出場し、暗記した英語のストーリーを約五分間かけて発表した。ALT(外国語指導助手)ら五人が審査員を務め、発音やイントネーション、ジェスチャー、暗唱力などで審査を行った。
 生徒たちは、物語の場面に合わせ表情を変えたりジェスチャーを交えるなどして英語のストーリーを披露。練習の成果を生かし堂々と発表した。
 最優秀賞に選ばれた浜川君は「トムソーヤの冒険」を発表。受賞に「うれしい。緊張せずに楽しくできた」と喜びを話し、「英語で外国の人と話せると楽しくなる。四月から高校生になるので英語は難しくなると思うが、部活と両立させもっと勉強したい」と意欲を見せた。今大会へ向けては年明けから練習を始め、駅伝部の部活動前に毎日一時間練習したほか、指導に当たったALTが録音したテープを受験勉強の合間に聴くなどして、細かいアクセントや速さを毎日練習を重ねたという。今年三月には卒業するため、七月の県大会には出場しない。
 優秀賞を受賞した砂川さんは「目指した最優秀を取れなかったのは残念だが、二位に当たる優秀賞に選ばれてうれしい」と笑顔。優良賞の国仲さんは「予想外の入賞」と感想を話し、「英語は日本語より簡単に気持ちを表現でき、一言で感情を表すことができるのが魅力」と英語の魅力を話した。

 写真説明・最優秀賞を受賞した浜川君(中央)、優秀賞の砂川さん(左)、優良賞の国仲さん=8日、県宮古支庁

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新市の財政見込みなど紹介

宮古島市HPに「新・島づくり計画」掲載

 宮古島市(伊志嶺亮市長)のホームページ(HP)に先月から同市の「新しい島づくり計画」が掲載されている。昨年十月一日に生まれた新市・宮古島市の展望と課題などが紹介されており、当局では多くの市民にホームページへのアクセスを呼び掛けている。
 掲載されている「新しい島づくり計画」は七章で構成され、第一章は基本的事項、第二章は新市の概況、第三章は主要指標の見通し、第四章が新しい島づくりの基本方針、第五章は新市の施策、第六章が公共的施設の統合整備、第七章は財政計画となっている。
 第一章の基本的事項の中では合併の必要性が示され、その理由として▽地方分権社会▽少子・高齢社会▽生活圏の拡大への対応と広域的視点に立った施策の推進▽財政基盤強化への対応―となっている。
 また、合併により期待される効果としては▽効率的・効果的な行財政運営▽広域的なまちづくりの実現▽重点的な施策展開による住民生活の向上と行政サービスの充実―が示されている。

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オニヒトデ産卵期前に駆除/東平安崎周辺海域で250個超

 宮古島ダイビング事業組合(渡真利将博会長)は八日、東平安名崎周辺海域でオニヒトデの駆除作業を実施した。産卵時期を前にして行われた同活動には無償のボランティアら十七人が参加して作業に取り組んだ結果、約百二十―百六十`、数にして約二百五十個体以上を駆除した。
 船は午後一時に保良漁港を出港した。東平安名埼灯台下の海域で、作業に費やされた時間は約五十分間。同組合による調査で上野の博愛から城辺の保良まで海岸線に沿ってオニヒトデの東進が確認されたため、同海域での作業となったという。午後二時半ごろ、保良漁港には捕獲されたオニヒトデを積んだ船が入港。オニヒトデの産卵時期は暖かくなる春から夏にかけてといわれているが、港に揚げられた個体には卵を抱えているものも多数見られた。駆除されたオニヒトデは、処分が行われる堆肥センターに運搬された。
 同組合の渡真利会長は「実際に潜ってみると、海の中はかなりひどい様子で、三b範囲に一個体は見られる状態。暖かくなる産卵の時期を前に駆除したいと取り組んだ」と話し、「行政は駆除活動に対して計画もあるようだが、現場でやっている部分と行政とは多少なりズレがあると思う。どうすれば効率的に作業ができるかを現場の声も反映させながら、真剣に議論した上で、対策を練るべきだ」と訴えていた。
 同組合では駆除活動を継続的に取り組んでいく予定。

 写真説明・駆除活動に当たったボランティアのメンバーら=8日、保良漁港

 オニヒトデ
 オニヒトデ科のヒトデ。大型になると直径約三十―四十aにも達し、十数本の腕を持つ。全体に多数のとげがあり、刺されると激しく痛む。サンゴを食するため、その被害が懸念されている。

 写真説明・かごいっぱいに積まれたオニヒトデ

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「年寄りの知恵は図書館1個分」/保育所研修会で子育て講演

 【那覇支局】県保育所長・市町村保育関係職員研修会(主催・県社会福祉協議会など)が七日、那覇市内のホテルで開かれ、宮古島市立下地中学校の川上哲也校長が「たまうつ先生(地域のおじい・おばあ)に学ぶ」と題して講演した。川上さんは「おじい、おばあの知恵は図書館一個分以上と言われる」と、長い人生の中で得た知恵の豊富さを強調した。
 「たまうつ」は漁獲物を平等に分配する行為から生まれた池間島などの方言。池間島と同じ文化を持つ西辺の中学校長に着任した一九九九年度から、総合学習の時間で地域のおじいやおばあが「たまうつ先生」として登場した。「たまうつ先生」は語源の通り「知恵を分け与える」役割を担い、二〇〇二年度までに延べ三百十八人が講師を担当。地域の伝統漁や農作物の栽培、伝統芸能など地域の文化を生徒に伝えた。
 総合学習は「国際理解を深めるには、まずは足元の文化を知ることが大切」との観点から進められた。学習成果はやがて実り、少年の主張宮古地区大会でお年寄りとの交流をテーマに発表した仲間舞さんは最優秀賞を獲得。ある生徒は総合学習をきっかけに学業や生活態度の面で驚異的な変ぼうを見せるようになった。
 川上さんは最後に「教育のやり直しはきかない。人生に必要な知恵は幼稚園の砂場ではぐくまれると言われる。子供たちの教育環境を大事にしてほしい」と要望した。

 写真説明・講演する川上校長=7日、那覇市のパシフィックホテル沖縄

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   熱狂的ファンの浦川さん、海鋒さん一家/オリックスキャンプ

 宮古島市民球場で行われているオリックス・バファローズの春季キャンプには連日、多くの地元ファンや関西からのファンが訪れているが、中でもユニホーム姿でひときわ目立つファンの姿が。浦川万右衛門さん(36)=東京都=の一家と、海鋒英樹さん=千葉県=の一家。小学校時代からの近鉄バファローズを応援してきたという浦川さん、海鋒さんは「今年は優勝します」と口をそろえた。
 両家族は今キャンプが初めての来島。浦川家五人と海鋒家四人の計九人で訪れた。八日もユニホームに身を包んで午前中から球場へ。「宮古島は意外に寒い」とこぼしながらも、四十枚以上の色紙を持ち込み、選手のサインをもらったり、一緒に写真を撮ったりと「熱狂的ファン」ぶりを見せている。
 互いに近鉄時代からのバファローズファンで、球団合併した昨年からはオリックス・バファローズを応援。応援を通じて家族ぐるみの付き合いをしている。シーズン中は、千葉ロッテマリーンズの本拠地・千葉マリンスタジアムや、埼玉県所沢市の西武ライオンズの本拠地・インボイスドームなどで、バファローズの試合を観戦するという。
 浦川さんの長男、將右衛門君(小学二年)は「試合のときと違って、選手がとても近くで見られてうれしい。帰ったらまた、球場で応援したい」と話した。
 海鋒さんの長男、涼介君(小学五年)は大西宏明外野手のファン。「大西選手にサインをもらえたし、話もできた」と感激していた。

 写真説明・一家そろってオリックス・バファローズを応援している浦川さん一家と海鋒さん一家=8日、宮古島市民球場

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