200平成1  615曜日

多良間村長選 兼濱(現職)、下地(新人)両氏が届け出

/村二分し5日間の選挙戦突入

 【多良間】19日に投開票が行われる多良間村長選挙は14日に告示され、5日間の選挙戦に突入した。これまで立候補を予定していた現職の兼濱朝徳氏(56)=保守系無所属=と新人の下地昌明氏(53)=保守系無所属=の2人が届け出を行い、締め切りの午後5時までにほかに届け出がなかったことから、1票差が明暗を分けた4年前の村長選と同様、両氏による一騎打が確定した。両陣営の選挙事務所で出陣式があり、両候補が第一声を上げた。13日現在の有権者数は1009人(男性533人、女性476人)。期日前投票はきょう15日から18日まで、多良間村役場2階会議室で行われる。
 今選挙は市町村合併せず自立を選択した多良間村の将来のかじ取り役を選ぶ選挙。一時は合併賛否で揺れた同村だが、兼濱、下地両氏ともに自立へ向け取り組んでいく姿勢を見せている。厳しい財政の中でどう手腕を発揮し自立した村づくりを進めていくか、村民の溝を埋め一丸となって村政を導いていくかがカギとなる。両候補者にとっては、自立へ向けた確かな将来像と構想をいかに村民へ訴え浸透させるかが焦点だ。
 届け出受け付けが始まる午前8時30分前から村選挙管理委員会には兼濱、下地両氏の代理人が訪れた。仮くじと本くじを引いた結果、兼濱氏の代理人が1番くじを引き当て、兼濱氏、下地氏の順で届け出を済ませた。
 兼濱氏の出陣式には大勢の支持者が詰め掛け、5日間の選挙戦へ一致団結を誓った。第1声で兼濱氏は「公約をしっかり実現させていく。皆さんの支持であと4年間働かせてほしい」と述べた。「村民の目の高さでの分かりやすい政治」をモットーに▽特別養護老人ホーム建設▽地下ダムの早期実現▽旧多良間空港跡地の有効利用―などを公約に掲げ、2期当選を目指している。
 下地氏の出陣式にも大勢の支持者が駆け付け、初当選へ向け気勢を上げた。下地氏は「現在の多良間村政を刷新し、皆さんとともに新しい多良間村建設に取り組んでいきたい」と第1声を放った。「村民との対話と協調で開かれた政治」を基本姿勢に▽活力ある産業育成・振興で村民所得の向上▽郷土愛と心豊かな人材育成・教育の充実▽健康で生きがいある生活・村民福祉の充実―を訴え、村政刷新を目指す。
《公約必ず実現させる》
  兼濱 朝徳候補

 今回の選挙は圧勝し、皆さんに約束している四つの公約をしっかりと実現させていきたい。政治に対する心掛けは最初のころと変わっていない。皆の目の高さで分かりやすい政治をするのがスタンス。どんなことがあっても心を大事にしたい。物で栄えて心で滅びるという名言がある。心と体を大事にし、心身共に健康であれば多良間村は必ず発展する。皆が心豊かに暮らせるようにするのが私の仕事。皆さんの支持で、あと4年間働かせていただくようお願いしたい。

 兼濱 朝徳(かねはま・とものり) 1949(昭和24)年4月1日生まれ。多良間村字塩川出身。72年沖縄大学卒業後、多良間村教育委員会などを経て、83年から2期収入役を務める。01年7月の村長選で初当選。

《離島メリット生かす》
 下地 昌明候補

 多良間村発展に向けた責任の重さをひしひしと感じている。現在の多良間村政を刷新し、皆さんと共に新しい多良間村建設に取り組んでいきたい。農水産業の発展、医療体制の確立を約束し、必ず守り、実現する。お年寄りの皆さんが生きがいを持てる、教育を振興し子供たちが誇れるような島にしていく。多良間島は離島だが、離島のメリットを生かし、基本姿勢である対話と協調を大事に、住み良い村づくりを目指す。最後の最後までの支援をよろしくお願いしたい。

 下地 昌明(しもじ・まさあき) 1951(昭和26)年10月11日生まれ。多良間村字仲筋出身。76年拓殖大学卒。81年に村議会議員に初当選し、93年に村議会議長に就任。01年3月に勇退。

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宮古島市長選・保守系 坂井、下地両氏は白紙へ

/第3の候補者で協議濃厚

 10月1日に発足する宮古島市の市長選に向けて、保守系候補者一本化を目指して人選作業を進める「宮古島市市長候補者選考委員会」の幹事会(幹事長・砂川佳一県議)が14日、平良市内のレストランで開かれ、混迷化する人選作業について協議した。協議の内容についてはかん口令が敷かれ、協議後、メンバーらはそろって口をつぐんた。しかし、関係者の話をまとめると現在選考のテーブルに載っている前県議の坂井民二氏(55)と城辺町助役の下地敏彦氏(59)については白紙に戻すことがほぼ固まったようだ。両氏での調整が白紙となれば、今後の協議は第 3者を中心に進められる公算が大きくなっている。
 長期化し、混迷深める保守系の候補者一本化作業は選考委でこれまで5回の協議を行うもなかなか進展せず、事態の硬直化を回避するために今回の幹事会が開かれたようだ。
 幹事会メンバーは幹事長の砂川県議のほか、郡部の四町村長、中尾英筰氏(日本商工連盟宮古支部長)、同選考委の比嘉米三委員長、羽地昇子副委員長の計8人で、今後の候補者選考のあり方などについて協議したようだ。
 協議終了後、メンバー全員が協議の内容については口を閉ざした。
 中尾氏は「人選作業は良い方向に向かっている。協議の結果は今明かせないが16日の選考委で示すことができるだろう」と述べ、協議の具体的な内容については16日に行われる選考委で報告されることとした。
 13日に行われた選考委では坂井、下地両氏では調整困難であり両氏での調整を白紙に戻して第3の候補者で協議すべきとの意見が多く出された。しかし、両氏での調整を求める声も一部から上がり、両氏と第 3者を含めた協議を行うこととなっていた。
 選考委内部の意向調整も難航しつつある中で今回、首長、県議、委員長らで構成する幹事会を開催して協議し、その方針を選考委で再協議することとなった。16日の選考委では、第三者についても具体的な名前が挙がる見込みとなっている。

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マンゴー、収穫間近/県外から注文相次ぐ

 今月下旬から2005年産マンゴーの収穫を控え、宮古の栽培農家らは、県外からの相次ぐ注文の対応に追われている。近年宮古のマンゴーは、安心・高品質などで高い評価を得て全国的に「宮古ブランド」として人気が上昇中。夏の味覚・マンゴーの実は来週から本格的に熟れ出す。
 伊良部町長浜地区のミキマンゴー生産組合(棚原豊樹代表)でのマンゴー栽培は今年で7年目。ビニールハウス八棟の栽培面積は計0・8ヘクタール。
 棚原代表は「今期の収穫量の予想は、前期実績の3倍、10トンから15トンを見込む。作柄は上等です」と表情を緩ませた。
 マンゴーハウス内には、大ぶりのマンゴーが枝もたわわに実る。棚原代表は「本土から注文が殺到し、宮古の市場に出すのは難しい」と話す。
 県宮古農業改良普及センターは、宮古全体の今期のマンゴー収穫量は約120トンと予想。前期収穫量実績の約280トンより160トン少ない不作。寒い日が多く、日照不足などが不作の要因に挙げられている。

 写真説明・収穫を間近に控え、枝もたわわに実ったマンゴー=14日、伊良部町

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 駆除総数は1万2千匹/オニヒトデ部会 ・肥料効果を実証試験へ

 宮古圏域海洋危険生物対策協議会オニヒトデ部会(会長・長間孝県宮古支庁農林水産振興課長)が14日午後、同庁2階講堂で開かれた。県や市町村、ダイビング業者など関係者ら多数が出席。2004年9月1日から05年5月31日までの9カ月間に駆除したオニヒトデの総数は1万1915匹であることが報告された。県自然保護課は、前年度に引き続き本年度も宮古海域で「重要サンゴ礁海域保全事業」によるオニヒトデ駆除を実施していく方針。また、陸揚げ後のオニヒトデが肥料としてどのような作物に適しているのか実証試験でその効果を検証する。
 オニヒトデの大量発生に対して優先的に保全を図る海域として、宮古では▽八重干瀬ウル西▽池間島北カギンミ(平良市)▽中ノ島カヤッファ(伊良部町)▽渡口の浜沖離礁(同)▽長山港沖(同)▽来間大橋南(下地町)▽博愛漁港南(上野村)▽吉野海岸(城辺町)―の八区域が指定されている。
 9カ月間のオニヒトデ駆除状況(保全区域外を含む)によると、八重干瀬が1万718匹で最も多く、全体の90%を占めた。次いで上野1914匹、中ノ島76匹、池間27匹の順。その他の区域での駆除報告はなかった。
 同課では「八重干瀬における造礁サンゴ保全活動に際しては、より狭い範囲に絞り中心を定めるなど、早急に検討が必要である」と強調する。
 本年度から同課は、重要サンゴ礁海域保全事業のほかに、重要サンゴ礁海域(候補地)選定事業を導入する計画。県内の海域には、さらに多くの生物学的、漁業・観光資源的に高い価値を有するサンゴ礁などがあると評価。今後、行政と地域が一体となって保全していく必要があると説明する。

 写真説明・オニヒトデの駆除状況などが報告された部会=14日、県宮古支庁

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葉ショウガを安定出荷/宮古ブランド目指す

 宮古の新規作物として葉ショウガを導入し大量出荷の4年目を迎えた平良市の宮古流通企画(川満健一代表)は、収穫、出荷作業たけなわとなっている。5、6月の2カ月で5キロ入りケースで8000ケースを関東向けに出荷する。川満代表は「宮古島産は、土壌や太陽光の特性で、紅の色のりがよく、香りも強い。他のどの産地よりも良品質」と強調。地元普及にも意欲的で、多くの人に知ってもらおうと昨年12月から同市西里で「やさいカフェ」もオープンしている。
 川満さんはキクに代わる宮古のフライト産品を作り出そうと、1991年から葉ショウガを新規導入して試験栽培を重ねた。流通システムも確立し2002年から大量生産に踏み切り、宮古本島内の畑を小作し約3ヘクタールで栽培、年間8000ケース以上を関東へ出荷している。1ケース価格は約5000円。
 葉ショウガは、根ショウガから新しく芽が出て根もとにできた新ショウガを言い、茎葉と共に食用として売り出されている。
 「ショウガは漢方薬や料理の薬味にも使われるが、体を温める作用などがあり健康食材としても注目されている」として、本土の需要は増えるばかりという。
 宮古への普及で農業の担い手育成に力を入れる傍ら、本土で評価されている葉ショウガを地元の人々にも知ってもらおうと、昨年12月28日に「やさいカフェ」を開店。妻の悦子さんと共に島産のさまざまな新鮮野菜を使った特製料理やハーブティーなどが楽しめる場所を提供している。
 川満さんは「葉ショウガは油みそに付けて食べるとうまい。島で栽培される旬の野菜を食べてもらい、納得して買ってもらう。常に島にこだわり、宮古ブランドを目指していきたい」と力を込める。問い合わせは宮古流通企画(電話73・1374)まで。

 写真説明・葉ショウガの収穫・出荷たけなわを迎えている川満さん(前列右)ら=14日、上野村内の畑

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