歴史の真実伝えてほしい

琉球新報賞を受賞した

平 恒次 氏 (76歳)
平良市出身

  【那覇支局】琉球新報賞(学術・教育功労)を受賞した平恒次さん。琉球研究を国際的な視野から深め、国際琉球研究会を組織するなど沖縄の各分野の研究に貢献。イリノイ大学名誉教授、ILO(国際労働機関)経済部門専門研究官などを歴任し、各種国際学会などの要職も務め、研究者の育成に尽力したのが高く評価された。
 同賞を受けて、当人は恐縮しながら、「この素晴らしい賞を受ける仕事はしていない。歴史の真実を伝えてほしい。自分は象牙の塔に住んでおり、何も役に立っていない」と話し、贈呈式の会場に笑いを起こした。沖縄世界のモデルを追求しているが、モデルに日常性はないと言いつつ、「役立てるには琉球独立論にたどり着くのではないか」と話す。復帰後に沖縄が日本、世界から忘れられつつあり再び大変なことになるとして、危機感を抱いた。国際琉球研究会を組織して、沖縄研究が死滅しないよう活動した。「復帰後十年あたりから琉球研究が息を吹き返してきて、現在ではヨーロッパ、米国において琉球研究ミニブームの段階まで来ている」と喜ぶ。
 故郷宮古のことはいつも心に強くあり、よく思い出すという。今回、宮古が台風災害で大変な状況にあることにも胸を痛める。「故郷の小・中・高校生ら若者には『海外雄飛』の心掛けで、頑張ってほしい」と応援の言葉を送った。

 平 恒次(たいら・こうじ) 1926(昭和元)年11月7日生まれ。宮古郡平良町(現平良市)下里出身。平良第一尋常小、県立宮古中学校、沖縄外国語学校卒。米スタンフォード大学準教授などを経て、現在イリノイ大学名誉教授。専門は労働経済学、経済発展論。趣味は読書、旅行。摂子夫人との間に2男。孫は2人(男)。住所 2309 S.Cottage Grove Ave.Urbana.IL 61801 U.S.A
 


 

top.gif (811 バイト)